ターボ式ガスブースタ取扱説明書

ガスブースタは工場、その他の事業場でガス(都市ガス)を昇圧燃焼する装置に使用するものである。

取扱い上の注意事項
(別紙送風機の取扱いに本項を追加事項として、ご理解下さい。)

  1. 据付はコンクリート基礎とし、十分剛性のある平滑な水平面に設置する。
  2. Vベルト駆動の場合、Vプーリ溝の中心を正しく合わせ、Vベルトの張りも適当なたわみを持たせる。(張りすぎないように注意)
  3. 設置場所は通風性の良い屋外とする。やむをえず屋内に設置する場合は、、完全な給排気および換気を行う。
  4. ブースタ本体は防水型ではないので、雨よけカバー等を要する。
  5. 配管接続はブースタ入口・出口側とも防振のエキスパンションジョイントを使用し、配管の芯の狂いおよび熱による伸縮を吸収できるよう考慮する。又、配管の重量は絶対にブースタ本体にかからないようにする。
  6. 緊急時には、ブースタ入口側でガスを遮断する自動弁を設置する。
  7. 配管接続部、ブースタ本体軸封部、その他の部分からのガス洩れがないか注意する
  8. 設置場所の気温は35℃以下であること。
  9. ブースタ本体は軽合金製であるから、振動、外力および衝撃等に弱いため、設置については十分注意を要する。

運転上の注意事項

  1. ブースタ吸込ガスは都市ガス(6C・13A)とする。
  2. ブースタ入口圧力は+100〜+200mmAqとする。
  3. ブースタ動力は対空気比0.65以上の気体時には過負荷となることがある。
  4. ブースタの運転ポイントが規定流量50%以下での長時間使用は、ブースタの異常温度上昇をともなうので、さけること。
    特にブースタの試運転時は他の燃焼機器の調整等でガスの流量が著しく低いのでブースタのケーシング、軸受等の温度上昇値が高くなる。ガスブースタをやむを得ず運転する時は各部の温度に注意し温度が高くなれば運転を停止し、温度が充分下がってから運転を再開すべきである。
  5. ブースタのバイパス装置等による気体の循環は4項と同様、異常温度上昇をともなうので、さけること。
  6. ブースタの運転ポイントが常にバルブを絞り加減で使用する場合、温度上昇が高くなるので、回転数を減少させて使用すべきである。
  7. 運転中の急激な圧力変動は極力さけること。(入口圧力、出口圧力とも)
  8. 軸封部その他ブースタ各部からのガス漏れがないか注意する。
  9. 運転中のブースタに異常な振動、異常音、過熱がないか注意する。(圧力上昇500mmAq当りの温度上昇は、約外気+20〜25℃位である。)
  10. ブースタは比較的流量の少ない圧力の高い送風機である。このためブースタケーシングとインペラの隙間は非常に少ない。配管内のダストが混入してかみ込む恐れもあるので注意する。

保守点検事項

  1. 運転時には毎日各部の温度・電流・振動等を始動時、停止前の状況を詳しく記録するチェックリストを作成する。
  2. 潤滑油補給期間は1ヶ月から3ヶ月とし、使用状況により決定する。 グリースの種類はリチューム系調度2を使用する。給油はドレン抜きを開放し、各グリースニップルより10〜30g/1ヶ所程度給油する(必ず運転中に給脂)。
  3. 軸封部はオイルシールを使用し、潤滑グリースはリチューム系2を潤滑油は軸受、タービン油を給油する。
  4. ブースタ洩れテストは1回/月実施し、圧力は1500mmAq〜3000mmAqとする。
  5. ブースタの分解、掃除、内部点検は1回/6ヶ月実施する。
  6. 運転をしない状態のブースタ(予備用等)も、軸封シールのリップ変形、シャフトの錆、潤滑油の劣化等を生じるので、必ず内部点検およびグリースの詰め替え等を6ヶ月毎に行うべきである。
  7. ブースタの構成部品の内、消耗品として、次のものがある。この部品は、余裕をもって定期的に取替える事が故障等のトラブル防止となるのでぜひ実行されたい。
    1.軸受(ボールベアリング)
    交換期間
    1〜2年
    2.オイルシール
    0.5〜1年
    3.Oリング
    1〜2年
    4.Vベルト
    1〜2年
    5.潤滑油
    0.1〜0.2年

異常とその対策

ブースタの異常は、常に事故につながる危険があるため、運転保守には十分な注意をもってあたるべきである。そのためにも、毎日の記録をチェックし、故障を事前に発見、修理することが望ましい。故障の一時的な原因は普通の場合、ごくわずかの異常から生じるものである。

1.ブースタケーシング
綱板製溶接構造及び軽合金鋳物製がある。 腐蝕、外力に弱いため、配管の重量、芯の狂い等の異常な力は絶対にかけないように注意する。
 
2.ブースタインペラ
アルミ軽合金を使用し、軽量高効率をはかっているが、腐蝕、外力等には弱いため、ケーシング同様、取扱いには十分注意を要する。
 
3.軸及び軸受
軸受はボ−ルベアリングを使用し、グリース潤滑又は油潤滑とする。軸受箱は鉄製で、ケーシングの両側又は片側に取付されている。 軸は炭素鋼を使用し、軸封オイルシールを境に、ケーシング側に翼車、外側にベアリングがあり、ターボ式単段及び2段程度のものは、片持型軸受それ以上のものは両持型軸受の構造となっている。
 
4.伝導部
Vベルト、Vプーリは外部から点検しやすいものであるから、常に目視点検を行い、ベルトの張りすぎ、ゆるみすぎおよびVプーリの芯の狂いがないか点検する。 軸継手使用の場合は、ゴムの磨耗、ボルト等のゆるみを点検する。
 
5.水冷ジャケット
水冷ジャケット部の水もれ、配管部の水あかによる詰まり等がないか注意し、ブースタの運転を停止してもブースタのケーシング温度が充分に下がってから冷却水を止める。

↑UP

会社・業務内容 / 取扱説明 / 製品案内 / 特性比較表 / TOP